萩の花
片岡です、
久しぶりに晴れた9月終わりの日曜日、
多摩川台公園へ散歩に出かけました。
公園の階段を下っていると途中の木陰で萩の木を見つけ、
濃い桃色の小さな花がたくさん、
しだれた枝に咲きほころんでいました。
すると、ふと数年前に栄光堂にいらっしゃった
お客さまのことを思いだしました。
「すみませんが、萩の花の和菓子を
作っていただけませんでしょうか？
先日病気で亡くなった妻の好きだった花で
法要の時に集まってくださったお客様に
お出ししたいので。。」
お客様は元小学校の先生をなさっていらした７０代の
男性の方で、最愛の奥様のことを静かに話してくださいました。
奥様は小柄で口数少なく、穏やかな性格の方でしたが、
体調崩されてからも最後まで凛としていて、
動揺することがなかったそうです。
私はこぼれ萩のお菓子を提供させて
いただきました。
萩の花は一つ一つ控えめで、
茎は細くてやわらかく、風が吹くとなびき、
花言葉は「控えめ」「柔軟な精神」だそうです。
この日、萩の花が美しく咲いている姿を見て、
あの時のお客さまと奥様に再会出来たような感じがしました。
「こぼれ萩」
。
。
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